「離婚を考え、配偶者と別居状態にあるが、生活費が心もとない。請求することは可能だろうか。」
別居期間中の生活費について、こうしたお悩みをお持ちの方は数多くいらっしゃいます。
このページでは、離婚にまつわる数多くのテーマのなかから、別居中の生活費にスポットライトをあてて、ご説明いたします。
■夫婦の生活費
民法第752条には、「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。」とあり、婚姻中の夫婦の協力扶助義務が示されています。
つまり、夫婦は日常生活において、生活を共にするにあたり協力し助け合うものとされているのです。
具体的に生活費という面で考えると、民法760条において「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。」と規定されています。
すなわち、夫婦の一方の収入が低かったり収入がなかったりした場合であっても、そのことが理由で夫婦の生活レベルが異なるような状況は認められないのです。
■別居期間中の生活費の請求
それでは、別居期間中の生活費を請求することはできるのでしょうか。
結論から申し上げますと、別居期間中であっても、生活費の請求は可能です。なぜなら、別居しているとはいえ、法律上婚姻関係にあることに変わりはないからです。
具体的な請求の流れとしては、まずは当事者間の話し合いが考えられます。
生活費を請求される側の配偶者が不倫をしたなど、婚姻生活を営んでいくにあたり妨げとなる行為を行った場合には認められやすいと思われます。話し合いにより配偶者が生活費の支払うことに同意すれば良いですが、残念ながら多くのケースでは支払いを拒否されるか、請求額通りには支払ってもらえません。
そういった場合には婚姻費用分担請求調停を家庭裁判所に申し立てることで、解決を図ります。婚姻費用分担請求調停は、調停員が夫婦双方の主張を受け、解決案を提示したり助言をしたりしてくれますが、最終的には夫婦の合意によって解決する方法です。
婚姻費用分担請求調停を利用したとしても夫婦間で合意が得られない場合には、調停が不成立となり、自動的に婚姻費用分担請求の審判が行われます。
婚姻費用分担請求調停の審判では、裁判官が必要な心理を行い、職権により決定します。
このように、別居にかかる生活費を配偶者に請求することはできますが、請求自体や請求した生活費全額が認められるかどうかは、夫婦間の話し合いや婚姻費用分担請求調停の結果に大きく左右されるといえるでしょう。
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別居中の生活費は配偶者に請求できるか
渋谷徹法律事務所が提供する基礎知識
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