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財産分与|扶養的財産分与の要件や期間などを解説

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財産分与|扶養的財産分与の要件や期間などを解説

離婚するときに必ず行うべきこととして、財産分与があります。
一般的には2分の1ずつ分け合うことが基本になりますが、離婚後の生活が経済的に不安定な場合、扶養的財産分与を行うこともあります。
今回は、扶養的財産分与について解説します。

扶養的財産分与とは?

扶養的財産分与とは、離婚後に一方の配偶者が、自身の努力だけでは経済的に自立することが困難な場合に、当面の生活を維持することを目的として行われる財産分与です。
扶養的財産分与は、離婚によって生活基盤が失われる配偶者に対して、離婚後の生活保障の観点から補充的に認められるものです。
特に、婚姻期間が長く、専業主婦や専業主夫として働いてこなかった配偶者が、離婚によって収入を得る手段を持たない状況に陥った場合に、その生活を立て直すまでの間、一時的に経済的な援助を行う意味合いが強いです。
したがって、清算的財産分与や慰謝料によって生活の安定が図れない場合に限り、扶養的財産分与が考慮されることになります。

扶養的財産分与が認められる要件とは

扶養的財産分与が認められるためには、分与をする側に、相手の生活を支援するための給付能力があることが要件です。
また、分与を求める側にも次のような状況である必要があります。

①配偶者が高齢である

扶養的財産分与を受ける側の配偶者が高齢である場合、再就職や新規の就労によって安定した収入を得る能力が低下していると判断されやすくなります。
特に、長期間にわたり専業で家庭を支えてきた配偶者で、社会的なキャリアがない場合、高齢であることは経済的自立の困難性を高める重要な要素として考慮されます。

②配偶者が労働が難しいほどの病気である

配偶者が離婚時点で、労働能力を大きく制限するような病気や障害を抱えている場合も、扶養的財産分与が認められる要件となります。
病状の程度や、それが将来的に回復する見込みがあるかどうかが考慮されますが、自力での収入確保が事実上不可能であると判断される場合に、その生活維持の必要性が認められます。

③乳幼児の監護など労働できない

扶養的財産分与を受ける側の配偶者が、未だ幼い乳幼児を監護しているため、フルタイムでの労働ができない状況にある場合も、経済的自立の困難性が認められます。
この場合、子どもの監護養育という社会的にも重要な役割を担っていることから、一時的に収入が制限されることがやむを得ないと判断されます。

扶養的財産分与の算定方法は?

扶養的財産分与の金額については、清算的財産分与のように2分の1といった明確な基準があるわけではありません。
裁判所は、当事者双方の状況を総合的に考慮して、個別の事案に応じて柔軟に金額を決定します。
算定の際には、婚姻費用分担額や生活保護制度における最低生活費が目安にされることが多いです。
裁判所が考慮する要素には、当事者双方の収入や稼働能力、財産状況、親族の資力、公的扶助を受ける余地があるかどうかなどが含まれます。
特に、算定において婚姻費用分担額が基準となることが多く、分与をする側の配偶者にとって無理のない金額に設定されることが通例です。
裁判例を見ると、その金額や支払い方法は様々です。
たとえば、夫の報酬の3割に相当する毎月3万円を3年間支払うよう命じた裁判例があります。
また、老後の扶養を目的として、一括金1200万円の支払いを認めた例や、年金収入の差額の4割を死亡するまで支払うよう命じた例なども存在します。

扶養的財産分与が受け取れる期間の目安

扶養的財産分与が受け取れる期間は、一律に定められているわけではありません。
期間の基準となるのは、分与を受ける側の元配偶者が、自立して生活できるまでの合理的な期間です。
多くの裁判例や実務においては、分与を受ける側の再就職や生活の再建にかかる期間を考慮し、通常は1年から3年程度とすることが多いです。
しかし、この期間も分与を受ける側の状況によって大きく変動します。
若年者の場合は、比較的早く自活できると見込まれるため、分与期間が短くなることがあります。
一方で、高齢者や、病気などにより再就職が極めて困難な特別な事情がある場合には、分与期間が10年から20年という長期にわたったり、生存中とする見解が示されたりすることもあります。

扶養的財産分与の支払い方法

扶養的財産分与の支払い方法についても、当事者の経済状況や合意によって決定されますが、いくつかの傾向が見られます。
支払い方法は、原則として即時一括払いとされています。
しかし、分与の義務を負う側の資力が乏しい場合や、高額な金額を一括で支払うことが難しい場合には、定期金払いとされることもあります。
また、扶養的財産分与は金銭給付が原則ですが、現物分与とする判断が下されることも存在します。
たとえば、不動産や年金の一部を分与するという形で、将来にわたる生活の安定を目的として現物での分与が認められた例もあります。

まとめ

今回は、扶養的財産分与について解説しました。
扶養的財産分与は、利用したいからといって適用できるわけではありません。
あくまで離婚後の生活の最低限の保護を目的としているため、財産分与や慰謝料を十分に取得していた場合には、認められない可能性が高いです。
自力での判断は難しいため、財産分与で困っているときには弁護士への相談を検討してみてください。

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