離婚を検討されている方の中には、財産分与における借金の取り扱いについて悩まれている方も少なくありません。
このページでは、財産分与における借金についてご説明いたします。
■財産分与とは
財産分与とは、夫婦の離婚後に、それぞれのものになるよう財産を分け合うことをさします。
財産分与には3つの種類があります。
1つ目が、清算的財産分与とよばれるものです。
清算的財産分与は、婚姻期間中に夫婦が共同で蓄えた財産を対象として、家庭への貢献度を基に各自に分け合う財産分与をさします。このとき、原則として、夫婦それぞれ2分の1ずつ財産を分け合うことになっています。これは、専業主婦(主夫)の場合でも同様で、一方が収入を得ることができたのは、もう一方が専業主婦(主夫)として家事を行っていたためであるという考えが背景にあります。
2つ目は、慰謝料的財産分与とよばれるものです。
慰謝料的財産分与は、慰謝料としての性質を持って行われる財産分与のことをさします。慰謝料とは、精神的・身体的苦痛を受けたことに対しての賠償金ですが、離婚においては、不貞行為(不倫)やDV(家庭内暴力)の被害に遭っていた場合に慰謝料を請求することができます。
3つ目は、扶養的財産分与とよばれるものです。
扶養的財産分与は、離婚後に配偶者が収入を得ることが困難であると考えられる場合に、相手を扶養する意味を持って行われる財産分与のことをさします。ここでいう収入を得ることが困難というのは、障害などで就労することが難しいケースが多いです。5年ごとなど、一定の期間ごとに財産分与が行われるのが特徴です。
これら3つの財産分与のうち、一般的に行われているのは1つ目の清算的財産分与です。
■借金は財産分与の対象にあたるか
清算的財産分与においては、対象となる財産は婚姻期間中の財産であり、共有財産とよばれています。
共有財産には、預貯金や現金、有価証券のほか、住宅などの不動産、自動車なども含まれています。
論点である借金については、夫婦の生活のために行われたものが対象となっています。例えば、夫婦が住むための家についての住宅ローンや、夫婦が使用するための自動車の自動車ローンなどが、財産分与の対象となります。
一方で、財産分与の対象とならない財産もあります。これらは個人に帰属する財産で、特有財産とよばれています。
夫婦の一方だけが日常的に使用している衣類や家具などが特有財産にあたりますが、借金についても、夫婦の一方が自身のためだけに行った借金は、財産分与の対象にはなりません。具体的には、ギャンブルに興じるために行った借金や、高額なブランド品を購入するためのローンなどがこれにあたります。
共有財産の借金を財産分与する場合には、借金の契約を行った1人の債務者を2人に変更することはできないため、他の財産と相殺して計算する等、特殊な検討が必要になります。
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借金は財産分与の対象にあたる?
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