遺言等で、特定の者が遺産を多く受け取った場合、遺留分を有する法定相続人は、遺留分侵害額請求をすることができます。
遺留分とは、被相続人の兄弟姉妹以外の法定相続人に認められた最低限度の遺産の取り分のことです。
遺留分侵害額請求をすることで、一定の金銭の給付を得ることができます。
請求にあたっては、時効に注意しましょう。
ここでは、遺留分侵害額請求の時効の年数や起算点についてご紹介します。
遺留分侵害額請求の時効
まず、遺留分侵害額請求は、相続の開始(被相続人の死亡)と遺留分の侵害を知った時から1年以内に行使しなければなりません。
注意しなければならないのが、遺言の無効を争っている場合です。
遺言の無効を争っている場合でも、遺留分侵害額請求権の時効は進行してしまうので、遺言の内容が有効だと判断される場合に備えて、予備的に遺留分侵害額請求を主張しておきましょう。
また、時効とは別に除斥期間も定められています。
相続が開始したことや、遺留分を侵害されていることを知らなかったとしても、相続開始の時から10年が経過すれば、遺留分侵害額請求をすることはできません。
時効とは異なるので、時効の完成猶予や更新を主張することもできません。
そして、遺留分侵害額請求権の時効と、遺留分侵害額請求によって生じる金銭支払請求権の時効は異なるということも知っておく必要があります。
金銭支払請求権は5年で時効にかかります。
そのため、遺留分侵害額請求を行使して、5年間、具体的に金銭の支払いを請求しない場合には、時効によって権利が消滅してしまいます。
遺留分侵害額請求権の時効を完成猶予させるためには、配達証明付内容証明郵便で通知書を送りましょう。
書面には、請求者の名前と遺留分侵害者の名前、請求の対象となる遺言等の内容、遺留分侵害に相当する額の金銭を支払うように請求する旨、請求日時を記載します。
そして、金銭支払請求権の時効を止めるため、上記通知書を送っても遺留分侵害者が応じない場合には、裁判を提起しましょう。
相続については渋谷徹法律事務所にご相談ください
遺留分を有する法定相続人は、正当に遺産を受け取る権利があります。
金銭を支払ってくれずにお困りの際は、弁護士に相談しましょう。
また、遺留分侵害額請求をされないように、遺言書の内容にも気をつけなければなりません。
相続に関してお困りの際は、渋谷徹法律事務所までご連絡ください。お待ちしております。